健康診断で「異常なし」。それでも、あなたは本当に健康ですか?
健康診断は、病気の早期発見や健康状態を確認するための大切な仕組みです。
会社員や一定の条件で働く人にとって、健康診断はとても身近なものになっています。
毎年、検査を受けて、結果を確認する。
「今年も異常なしだった」
そう聞いて、ほっとする人も多いでしょう。
一方で、健康診断を「クリアする試験」のように感じている人もいるかもしれません。
検査前だけ少し食事に気をつけて、
「とりあえず異常がなければよかった」
と結果を確認する。
でも、健康診断で「異常なし」と言われたからといって、あなたが健康であるとは限りません。
え?どういうこと?
数値は、あなたではない
健康診断では、血圧や血糖値、コレステロール、体重など、さまざまな項目を測定します。
それぞれの数値を基準値と比較し、「異常なし」「要注意」などの判定が行われます。
健康診断は、病気の早期発見や身体の変化に気づくための大切な仕組みです。
しかし、健康診断でわかるのは、あなたの健康の一部です。
あなたという人間全体を測定しているわけではありません。
数値は、あなたの健康そのものではない。
たとえば、健康診断では「異常なし」と言われても、次のようなことはありませんか?
こんなことはありませんか?
- 毎日疲れている
- 眠っても疲れが取れない
- 食欲がない
- 身体が重い
- 気分が落ち込む
- 人と会う気力がない

このような状態でも、健康診断では「異常なし」と判定されることがあります。
一方で、基準値から少し外れていても、元気に生活している人もいます。
もちろん、だからといって検査結果を軽視してよいという意味ではありません。
大切なのは、
検査結果を参考にしながら、自分の身体が感じていることにも耳を傾けること。
それが、本当の意味で自分の健康を知ることにつながるのではないでしょうか。
病気は、ある日突然始まるとは限らない
昨日まで元気だった人が、ある日突然病気になることがあります。
感染症や遺伝的な病気、急性の病気、事故など、予測できない出来事もあります。
病気になったことは、決して自己責任ではありません。
一方で、多くの病気では、身体の中で小さな変化が少しずつ積み重なり、やがて症状や検査値の変化として現れることがあります。
睡眠。
食事。
活動量。
ストレス。
人間関係。
こうした日々の積み重ねは、少しずつ身体に影響を与えています。

だからといって、
「病気になったのは、あなたの生活が悪かったから」
という話ではありません。
大切なのは、自分を責めることではなく、自分の身体に目を向けることです。
昨日の身体と今日の身体は、まったく同じではありません。
だからこそ、健康診断の結果だけでなく、
「最近疲れやすくなったな」
「呼吸が浅い気がする」
そんな小さな変化にも気づいてあげることが、自分の身体を知る第一歩なのではないでしょうか。
「健康になる」とは、禁止事項を増やすことではない
健康の話をすると、どうしても、
- お酒をやめる
- 甘いものを減らす
- 運動する
- 早く寝る
- 体重を減らす
といった話になりがちです。
もちろん、必要な人にとっては大切なことです。
医師から治療や生活改善の指示を受けている場合は、専門家の助言を大切にする必要があります。
ただ、健康になることが、
- 「あれをやめなさい」
- 「これを減らしなさい」
- 「もっと運動しなさい」
いう「禁止事項」を増やすことだけになってしまうと、健康のために生きることが、いつの間にか人生を窮屈にしてしまうことがあります。
「やめなさい」と言われたから我慢する。
「運動しなさい」と言われたから無理に続ける。
それだけでは、身体との関係はあまり変わらないかもしれません。
でも、自分の身体を感じられるようになると、
「今日は少し歩いてみようかな」
「今日はお酒より、お茶が飲みたいな」
「今日は休んだほうが良さそうだな」
そんな選択が、自分の内側から自然に生まれることがあります。
健康とは、今の自分を否定して別の誰かになることではありません。
自分の身体の声を聴き、その日に合った選択を重ねていくこと。
私は、それも健康の一つの形なのではないかと思っています。

ヨガという「気づく練習」
私が「もっと健康になりたい」と思ったとき、ひとつの入り口になったのがヨガでした。
ヨガは、
「あなたはこうしなさい」
と外から正解を与えるものではありません。
少なくとも、私がヨガを通して感じたのは、
自分の身体の状態に気づいていくこと
でした。
今日は前屈が深くできる。
今日は身体が重い。
昨日より呼吸が浅い。
肩に力が入っている。
いつもできるポーズが、今日はやりにくい。
「今日の私はどうだろう」と、ただ身体を感じてみる。
「もっと頑張らなければ」ではなく、
「今日はここまでにしておこう」
と、その日の自分の身体を知る。

そんな時間を重ねるうちに、
今の自分に必要なものに少しずつ気づいていく。
「今日は少し歩いてみようかな」
「今日は早めに休もうかな」
「今日はお酒より、お茶が飲みたいな」
そんな選択が、少しずつ自然に生まれるようになりました。
あなたの身体を毎日感じているのは、あなた自身
医師は、病気や検査について専門的な知識を持っています。
看護師は、身体の変化や生活を観察する専門性を持っています。
だからこそ、医療は私たちの健康を支える大切な存在です。
ただ、医療者が見ているのは、あなたの身体の一部です。
診察室でのあなた。
検査結果としてのあなた。
入院中のあなた。
一方で、
あなたの身体を毎日感じているのは、あなた自身です。
いつもと違う疲れ。
いつもと違う息苦しさ。
眠りの質。
気分の変化。
そうした小さな変化を最初に感じることができるのは、自分自身かもしれません。
だから私は、
- 医学の知識
- 検査結果
- 自分の身体の感覚
そのどれも大切にしたいと思っています。

医学は、これまでの人類が積み重ねてきた知識
医学は、これまで人類が積み重ねてきた経験と研究の集大成です。
感染症、公衆衛生、外科手術、薬の開発。
現代医学によって救われた命は数えきれません。
私も看護師として、その力を何度も見てきました。
だから医学を否定したいのではありません。
むしろ、その素晴らしさを知っているからこそ思うことがあります。
医学は、これまで生きてきた人たちから生まれた知識です。
言い換えれば、
医学は、人類の歴史です。
でも、
あなたは、歴史ではありません。
今、生きていて、
これからを生きていく、一人の人です。
だからこそ、
医学という地図を持ちながら、
目の前の「今の自分」の身体にも耳を澄ませることが大切なのだと思います。
数値と感覚、医学と自分
医学を信じるか、信じないか。
そういう話ではありません。
検査結果も大切。
医学の知識も大切。
でも、
数値だけが、あなたではありません。
だから私は、
医学という地図を参考にしながら、
毎日感じている自分の身体の声も大切にしてほしいと思っています。
その二つが重なったところに、
「あなた自身の健康」
があるのではないでしょうか。
自分に戻ってみる
健康になるために、あなたは新しい自分になる必要はありません。
もっと運動しなければならない。
もっと我慢しなければならない。
もっと正しく食べなければならない。
そうやって、今の自分を否定し続けなくてもいいのです。
まず、自分の身体に戻ってみる。
今日は疲れているのか。
本当にお酒が飲みたいのか。
身体を動かしたいのか。
休みたいのか。
誰かと話したいのか。
その声を聞いていく。
すると、健康は「外から与えられる正解」ではなく、自分との関係の中から少しずつ見えてくるのかもしれません。
健康になるということは、
自分を管理することではなく、自分と関係を結び直すこと。
私は、そう思っています。
ヨガは、そのための一つの方法です。
健康診断の結果も。
医学の知識も。
そして、毎日感じている自分の身体も。
そのどれか一つだけが正解なのではありません。
それぞれに耳を傾けながら、
「私は、今どうなのだろう?」
と、自分に問いかけてみる。
そこから始まる健康も、あるのではないでしょうか。
関連記事
自分に合う運動は、人それぞれです
私はヨガが入り口になりましたが、
ウォーキングでも、
ストレッチでも、
筋トレでも構いません。
大切なのは、
「やらなければ」ではなく、
「やってみたい」
と思える方法を見つけること。
その選択肢の一つとして、
オンラインヨガという方法もあります。
『頑張らなければ』ではなく、自分の内側から自然に選択が変わっていく。その考え方については、『パワーかフォースか』シリーズでも詳しく書いています。

