福祉

認知症の親を人工知能で見守る 〜「覚える」から「任せる」暮らしへ 〜

認知症になると、薬の管理や予定を覚えておくことがとても大変になります。新しいことを覚えるのが苦手になったり、日付や時間がわからなくなったりして、手帳やメモにたくさん書いても、予定を間違えてしまうこともよくあります。

でも、そもそも人間は「忘れる生き物」。無理に全部覚えておこうと頑張るよりも、人工知能(AI)にスケジュールやお薬の管理を任せてしまえば、もっとラクに、安心して暮らせる時代になってきました。

今回はお薬のスケジュール管理を中心に、人工知能AI製品をピックアップしました。

AI見守りロボットにスケジュールを任せる

BOCCO emo(ボッコエモ)

おくすりの時間通知を設定できます。

  • スマートフォンの専用アプリ(BOCCOチャンネル)で日付や曜日、時間、メッセージ内容を入力します。例:「お薬の時間ですよ」
  • 設定した時間になると、BOCCO emoが音声で「お薬の時間ですよ」とお知らせします。
  • スヌーズ機能(繰り返し通知)もあります。最初のお知らせの後、5分おきに最大3回まで繰り返しお知らせしてくれます。
  • スヌーズを止めたいときは、「エモちゃんありがとう」など、BOCCO emoの名前を呼んだ後に「ありがとう」と声をかけると通知が止まります。
  • 家族は離れた場所からでもアプリでリマインダー設定や変更ができるため、遠隔でお薬管理をサポートできます。

Wi-Fi環境があるならWi-Fiモデル:月額利用料なしで利用できます。(2025年5月現在)

Wi-Fi環境がないなら、LTEモデル(SIM通信):別途月額利用料が必要です。

Chapit(チャピット)

チャピット(Chapit)は、介護や高齢者の自立支援を目的としたコミュニケーションロボットで、タイムサポート機能が備わっています。

  • 設定は本体に直接話しかける音声認識の方法と、付属のアプリケーションソフトでも簡単に登録できます。
  • 1日に複数回、曜日ごとなど、細かく時間設定が可能です。
  • 設定した時間になると、チャピットがかわいい声で「お薬の時間ですよ」などとお知らせしてくれます。
  • 無線通信のWi‐Fiがない環境で使えるので、クラウドなどのネットワークに接続する必要がなく、電源をつなげれば、すぐに使用することができます。

Amazon Echo Show

Amazon Echo Show(エコーショー)は、Alexa(アレクサ)の音声アシスタント機能を活用して、お薬の飲み忘れ防止にとても役立ちます

  • スマートフォンのAlexaアプリでお薬の時間を設定します。
  • 設定した時間になると、Echo Showが音声でメッセージ(例:○○さん、お薬を飲む時間ですよ」)を読み上げてお知らせしてくれます。
  • 画面にもリマインダー内容が表示されます。
  • 薬を飲んだら画面の「停止」ボタンを押すことで、メッセージを消すことができ、飲み忘れ防止に役立ちます。

Wi-Fi環境が必要です。

  • 他にもビデオ通話機能があります。
  • 「呼びかけ」機能は、家族側から自動的にビデオ通話を開始できるため、高齢者本人が操作しなくても部屋の様子や安否を確認できます。

ユピ坊

ユピ坊(Yupiteru ユピ坊)は、主に見守り・コミュニケーション・生活リズムのサポートを目的としたロボットです。

  • 専用アプリ「ユピスマ」でリマインダーを設定。
  • 設定した時間になると、ユピ坊が「お薬の時間ですよ」などとやさしく声かけしてくれます。
  • 離れて暮らす家族もアプリからリマインダーの追加や変更ができるので、本人が設定に不安な場合も安心です。
  • スマホやタブレットは最大5台まで登録でき、家族みんなで見守りが可能です。

Wi-Fi環境が必要です。

まとめ

「覚える」ことから解放される安心

AIがスケジュールやお薬の管理をしてくれると、認知症の親は「覚えていなきゃ」と無理をしなくてすみます。
予定を間違えてしまう不安や、何度もメモを見返すストレスも減ります。

「忘れても大丈夫。AIが教えてくれるから安心して暮らせる」
そんな新しい見守りの形が、今どんどん広がっています。

家族も安心、本人もラクに

AI見守りロボットは、

  • 家族が遠くにいても様子がわかる
  • 本人は無理に覚えなくても日々を過ごせる
  • 会話や声かけで孤独や不安もやわらぐ

「全部自分で覚えなきゃ」と頑張るより、「AIに任せて、できることを楽しむ」暮らし方を選んでみませんか?

人工知能で「見守る」ことは、家族にも本人にもやさしい新しいサポートの形です。

最後まで読んでくださりありがとうございました!