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【あなたはどこ?パワーかフォースか・第6回】
こんにちは。前回は恥や罪悪感という感情の優しい意味について学びましたね。感情日記はいかがでしたか?
今日、頑張らなくてもいい日があってもいいんです
「なんだか今日は何もしたくない」「胸の奥がじーんと重い」「いつものように笑えない」
そんな自分に出会ったとき、「ダメな自分だ」なんて思わないでください。それは、あなたの心が「少し休ませて」とささやいている声なのかもしれません。
デヴィッド・ホーキンズ博士の意識レベルマップでは、これを意識レベル50(無気力)から75(深い悲しみ)と呼びます。難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、実はとても人間らしい、自然な心の状態なのです。
今日は、そんな「心の天気が曇りの日」について、優しく理解を深めていきましょう。きっと読み終わる頃には、今の自分をもう少し好きになれるはずです。
意識レベルマップ
私たちが日々体験する感情は、ただランダムに現れるものではありません。それぞれの感情は、特定の意識レベルと深くつながっていて、今の私たちの「心の居場所」を教えてくれる大切なメッセージなのです。
ホーキンズ博士の研究によると、感情と意識レベルには以下のような対応関係があります
低いレベル(20-175)

- 恥 (20)- 「私は存在価値がない」
- 罪悪感(30)- 「私は悪いことをした」
- 無気力(50)- 「もうどうでもいい」
- 悲しみ(75)- 「失ったものが大きすぎる」
- 恐怖 (100)- 「危険が迫っている」
- 欲望 (125)- 「もっと欲しい」
- 怒り (150)- 「これは不公平だ」
- 誇り (175)- 「私は特別だ」
高いレベル(200以上)

- 勇気(200)- 「やってみよう」
- 中立(250)- 「まあ、いいか」
- 意欲(310)- 「達成したい」
- 受容(350)- 「現実をそのまま受け入れよう」
- 愛 (500)- 「すべてが愛おしい」
でも、ここで大切なことがあります。「低いレベル」は「悪い」という意味ではないのです。
意識レベル50「無気力」の世界
無気力状態の特徴
無気力(Apathy)は、意識レベル50に位置する状態です。この状態では、以下のような症状が現れます。
心の声

- 「今日は何もしたくないなあ」
- 「楽しいことが思い浮かばない」
- 「どうせやっても変わらないし…」
- 「なんだか自分が薄っぺらい感じ」
体の声

- 布団から出るのに「よいしょ」が必要
- 何を食べたいかも思い浮かばない
- 人と会うのがちょっと重たい
- スマホを見るのすら面倒に感じる
頭の声

- 「私って価値あるのかな?」
- 「明日のことを考えるのも疲れる」
- 「集中したくても頭がぼんやり」
でも、これって実は、あなたの心が一生懸命「休んで」と伝えてくれているサインなんです。まるで熱が出た時に体が休息を求めるように、心も時々お休みが必要なのです。
なぜ無気力状態になるのか
無気力状態は、こんなときになります。
- 頑張りすぎちゃった後:お疲れさまでした、あなたは十分頑張りました
- 大切な何かを失った時:悲しんでいいんです、それは愛していた証拠だから
- 「どうせ無駄」を覚えちゃった時:過去の経験が心を守ろうとしてくれているんです
- エネルギーが空っぽになった時:充電が必要なスマホみたいなものです
実は、無気力さんは意地悪な存在ではありません。あなたを守ろうとする、とても優しい心の機能なのです。「もう十分頑張ったよ、ちょっと休もう?」と提案してくれているのです。
ある方の体験談:「いい子」の重さと心の休息
「学校の教えに沿って、いつも『いい子』でいなければならないと思って生活していました。でもある時、何もすることができなくなってしまったんです。体が重くて、たくさん眠るようになりました。
最初は『怠けている』と自分を責めていたけれど、だんだん分かってきたんです。これは最低限の低空飛行を続けるための、必要な時期だったんだって。温かなものにくるまれて充電する時間を、心が求めていたんですね。
今振り返ると、あの休息の時間があったからこそ、本当の自分らしさを取り戻せたのかもしれません。」

意識レベル75「深い悲しみ」の世界
悲しみの状態とその特徴
深い悲しみ(Grief)は意識レベル75の状態で、無気力よりも少しエネルギーがある状態です。
心の声

- 「あの時は良かったな…」
- 「もう二度と幸せになれない気がする」
- 「胸の奥がキューっと痛い」
- 「涙が勝手に出ちゃう」
体の声

- 胸がぎゅーっと重い感じ
- 食べたい物が思い浮かばない(または逆にやたら食べたくなる)
- 夜なかなか眠れない、または朝起きられない
- 全身に重りがついているみたい
頭の声

- 思い出の写真をじーっと眺める
- 失った人や状況のことを何度も考える
- みんなでワイワイするのがちょっと苦しい
- いつものルーティンがくずれがち
悲しみは実は「愛」の表現
重要な理解は、深い悲しみは実は「愛」の表現だということです。失った人、終わってしまった関係、叶わなかった夢に対する深い愛があったからこそ、その喪失に悲しみを感じるのです。
悲しみは、愛していたものへの敬意でもあります。この視点を持つことで、悲しみを「悪いもの」として押し込めるのではなく、こう思ってみてください。「私は愛することができる人なんだ」って。

ある方の体験談:人の心の複雑さを知った日
小学生の時、新任の音楽の先生がいました。ある日、クラスメートが言うことを聞かずに授業がうまくいかなくて、先生が泣いてしまったんです。
私は胸が痛くなって、とても申し訳ない気持ちになりました。でも教室に戻ると、先生が泣いたことを笑っている子たちがいて…本当にショックでした。
その時初めて、人の心には優しさと残酷さが同じように存在するんだということを知ったんです。深い悲しみと同時に、人間というものへの複雑な感情を抱きました。
でも今思えば、あの時感じた罪悪感や悲しみは、私の中にある『思いやり』という宝物のサインだったんだと思います。人の痛みを自分のことのように感じられるって、実はとても尊い能力なんですよね。
無気力と悲しみから抜け出すための実践方法
ステップ1:今の自分にOKを出してあげる
まず、今の状態の自分を責めるのをやめてみましょう。
今日からできる優しい言葉かけ
- 「今日は心がお疲れモードなんだね、それでもいいよ」
- 「ベッドでゴロゴロする日があってもいいじゃない」
- 「急いで元気にならなくても大丈夫」

失恋した友達に優しくするように、自分にも優しくしてあげてください。
ステップ2:小さな「いいね」を集める
完璧な幸せじゃなくても、小さな「悪くない」を見つけてみましょう。
- 一日に一つ、小さな「まし」なことを見つける
「今日は5分早く起きられた」 - 感謝できることを無理に探すのではなく、「そんなに悪くない」ことを見つける
「このお茶、ちょっと温かくて気持ちいい」 - 自然の美しさに数秒でも注意を向ける
「今日のお空、なんかいい感じの雲だな」

無理に感謝しなくても大丈夫。ただ「まあまあいいじゃん」くらいでOKです。
ステップ3:体をふわっと動かしてみる
激しい運動は心がびっくりしちゃうので、優しーい動きから。

- 5分だけの散歩から始める
- 深呼吸を意識的に行う
- 軽いストレッチや体をさする
ステップ4:人とのつながりを少しずつ回復する
一人でいたい時もあるけれど、時々は人の温かさに触れてみてください。

- 信頼できる人に「今、つらい時期にいる」と伝える
- LINEで絵文字一つ送るだけでもOK
- ペットがいたら、ぎゅーっとハグしてもらう
- オンラインでも、温かいコミュニティを眺めるだけでも
ステップ5:小さなことをしてみる
大きな目標は負担ですが、小さな意味のある活動は回復を助けます。
- 家族に「お疲れさま」のメッセージ
- 道端の花に「きれいだね」って心の中で話しかける
- 簡単な料理を作って誰かとシェア
- 好きな本や音楽を友達におすすめする

回復のプロセスで知っておきたいこと
回復はジグザグ道
心の回復は、まっすぐな道じゃありません。時には少し下り坂もあります。「あれ、また戻っちゃった?」と感じても、それは普通のことです。少しずつ少しずつ上に向かっているのです。
時間は最高の治療薬
「いつになったら元気になるんだろう?」と焦る気持ち、とても分かります。でも時間は、心にとって最高の癒しの薬。この時間を「もったいない時間」じゃなくて、「心のメンテナンス時間」として大切にしてあげてください。
専門家の助けを求めることは強さの証
もし心の重さが長く続いたり、日常生活がとても大変に感じたりしたら、カウンセラーさんや心療内科の先生に相談するのも素晴らしい選択です。これは弱さじゃなくて、自分を大切にする強さなんです。風邪をひいたらお医者さんに行くのと同じ、とても自然なことですよね。
まとめ:暗闇の中にある希望の種
あなたは今、とても人間らしい、自然な状態にいます。心が疲れるのは、これまで一生懸命生きてきた証拠。悲しみを感じるのは、深く愛することができる優しい人である証拠です。
意識レベルマップでは、これらの状態は「下の方」に位置していますが、同時に「ここより下はもうない」という安心感でもあります。今いる場所が、上に向かう出発点なのです。
あなたの心は、今ゆっくりと充電中。バッテリーが溜まったら、きっと自然に動き出したくなります。それまでは、自分に優しくしていてくださいね。

次回は、恐怖と欲望という、また違った心の状態について一緒に学んでいきましょう。今日学んだ「自分への優しさ」が、きっと次のステップでも温かい光となってくれるはずです。
あなたがもし今、この記事で述べたような状態にいるなら、どうか自分を責めないでください。抜けないトンネルはありません。やまない雨はありません。必ず光が見えてきます。
次回への準備
次回は「なぜ不安は尽きない?|恐怖と欲望の正体と自由になる4つの方法」について学びます。今回学んだ低いレベルの感情から、さらに具体的な恐怖と欲望の感情について深く探っていきましょう。
今回の実践課題:
- 今の自分にOKを出してみる
- 小さな「悪くない」をみつけてみる
- 体をふわっと動かしてみる
- 人の暖かさに触れてみる
- 小さなことをしてみる
あなたの心の中に流れるすべての感情が、美しい川の流れのように、最終的には愛という大海へと注いでいることを忘れないでください。
次回予告: 第7回「なぜ不安は尽きない?|恐怖と欲望の正体と自由になる4つの方法」では、私たちを最も悩ませる恐怖と欲望という感情の正体と、それらを成長の力に変える方法を学んでいきます。
あなたのすべての感情が、成長への美しいステップでありますように。
医学の父、ヒポクラテスは言いました。
「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」
「食べ物で治せない病気は、医者でも治せない」
旬で新鮮な食べ物はエネルギーがいっぱいです。
生産者さまの愛のこもった食べ物を受け取ってください。

気づき編をさらに深めたい方は:
- 第5回:恥・罪悪感から始まる成長の道
- 「パワーかフォースか」カテゴリーの全記事一覧
- あなたの感情体験や気づきを、ぜひコメントで教えてください
✓次はこちら⇒⇒
第7回「なぜ不安は尽きない?|恐怖と欲望の正体と自由になる4つの方法」
