第19回:誇りは勇気へ変わる|ホーキンズ意識レベルで見る自信と傲慢
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誇りは、かつて「かっこいい感情」でした。
デヴィッド・R・ホーキンズ博士の意識レベルマップにおいても、
誇りはフォースの中で最上級に位置し、
多くの人が「ここまで来たい」と憧れる場所にありました。
「自分はここまでやってきた」
「私はそれなりにすごい」
そんな気持ちを持つことは、
努力の証であり、自立の象徴だったのです。

けれど今、私たちはどこかで——
誇ることに、少し居心地の悪さを感じていないでしょうか。
誇りは、かつて「憧れの感情」だった
デヴィッド・R・ホーキンズ博士の著書
『パワーか、フォースか』に示されている意識レベルマップでは、
誇りはフォース領域の最上位、175に位置づけられています。
怒りや欲望を超え、
「自分はここまで来た」と感じられる段階。
そこにはエネルギーがあり、
自信があり、前に進む力がありました。
誇りは、フォース領域の最上位でエネルギーはある。
少し自信はあるものの、周りの反応に振り回されて、前に進みにくくなっている段階。

2000年代初頭、木村拓哉さん主演のドラマ『プライド』を覚えている方も多いのではないでしょうか。
氷上に立つ主人公は、不器用で、強くて、孤独で、 それでも「自分は負けない」「自分の力で勝つ」という強烈な誇りを胸に生きていました。
あの姿は当時、多くの人にとって 「誇り=かっこいいもの」 そのものだったように思います。
「私はやってきた」 「私はそれなりに価値がある」
誇りとは
一人で立ち、証明する強さだったのです。

それなのに、今は誇りを感じにくい
ところが今、私たちは誇りを素直に口にできなくなっています。
- 誇るとマウントを取っているように見えそう
- 自分を認めると、傲慢だと思われそう
- 「すごいね」と言われても、どこか居心地が悪い
この感覚、決してあなただけではありません。
なぜなら今、誇りの質そのものが、静かに変化しているからです。
スポーツ選手の言葉に表れている変化
スポーツ選手が大きな成果を出したあとのインタビューを思い浮かべてみてください。
最近、よく耳にするのはこんな言葉です。
「周りの人たちのおかげです」
「支えてくれた皆さんに感謝しています」
これは単なる謙遜でしょうか。 私は、そうではないと思っています。
本当に力をつけた人ほど、 「自分一人で成し遂げたわけではない」 という事実を、深く理解しているのです。
努力したのは確か。 でも同時に、
- 教えてくれた人がいた
- 支えてくれた人がいた
- 環境や運に恵まれた
そのすべてが重なって、今がある。
誇りは今、 「一人で輝く証明」から「つながりを知った人の静かな自信」 へと形を変えつつあります。

勇気(200)のレベルに向かう重要な通過点
ホーキンズ博士の意識レベルで見ると、
誇りはとても不安定で、分かれ道のような位置にあります。
誇りを感じるとき、私たちは無意識に「自分はどうか」を確かめています。
他人と比べることに視線を向ける
- 私のほうが上
- 私は特別
- 負けたくない
誇りは次第に優越感や分離へと固まっていきます。
これが、傲慢と呼ばれる状態です。

支えやつながりに視線を向ける
- ここまで来られた理由が見えてくる
- 一人ではなかったと気づく
- まだ学べることがあると感じられる
誇りは、静かな自信へと変わっていきます。

静かな自信となった誇りは、
「私は一人で生きている」という思い込みから目を覚まし、世界と関わって生きていく勇気(200)への橋になります。
つまり誇りとは、 「私は一人だ」という幻想から目覚めはじめる地点なのです。
ここで
「私は一人だ」と思い続けるか、
「私は支えの中にいる」と気づくかで、
意識の向きがまるで変わるのです。

自信と傲慢を見分ける「心の温度」
自信と傲慢の違いは、とても微妙です。 けれど心の感覚に注目すると、はっきりとした差があります。
傲慢のときの心
- 緊張して、どこか硬い
- 比較や優劣が気になる
- 批判や指摘に過敏になる
- 強がっているのに、どこか孤独
自信のときの心
- 温かく、ゆるんでいる
- 他人の成功も自然に祝える
- 「もっと学びたい」と前向き
- 感謝が自然に湧いてくる
木村拓哉さんが演じてきた数々の役柄。
この繊細さをよく表していたように感じます。
彼は強く、誇り高く、一見すると傲慢すれすれで孤独です。
でも仲間の中に入るととても心強いヒーローになるのです。
実践はたった一つ
では、誇りを健全な自信として保つために、
私たちは何をすればいいのでしょうか。
特別なワークも、毎日の訓練も、実は必要ありません。
ただ一つ。
「自分は一人ではない」と気づくこと。
まとめ|誇りは、つながりを知った人の静かな強さ
誇りを健全に保つための実践は、
何かを“足す”ことではありません。
ただ、すでにそこにある
つながりに気づくこと。

それだけで、誇りは
人を孤立させる力ではなく、
世界と関わって生きる勇気へと変わっていきます。
「私はよく頑張った。そして、この喜びは、私だけのものじゃない」
そのとき、あなたの誇りは 最も美しく、穏やかに輝いているはずです。

次回予告: 来週は「競争から協力へ|Win-Winの関係性を築く」をお届けします。健全な誇りを育てることができたあなたが、今度は他者との関係性をどのように協力的で建設的なものに変えていくかを一緒に探っていきましょう。